函館真景

1882年(明治15年) 著者/静光堂、編画/浅野文輝、木版彩色折図・37×69cm


函館港を北東から鳥瞰する構図で、函館山と市街地さらにはこの視点からでは見えるはずのない青森方面まで眺めることができる図。本図は類図の中でも特に彩色に優れたものとして有名。 大型の外国船舶と和船が多数停泊している港内風景、弁天砲台、東浜桟橋、外国人居留地、税関など港の施設が整備されている様子が描かれ、旧箱館奉行所跡地には函館県庁が置かれていることが分かる。 さらには亀田川から分かれて地峡部中央を貫通している願乗寺川(人工水路)などが精密に描き出されているが、埋め立てられてできたのは現在の高砂通。 なお、1868年(明治元年・慶応4年)の「箱館真景」もこれと同じ構図で描かれたことで知られるが、14年経過した本図からは陸側の整然と区画整理された街並みが確認できる。

(函館市中央図書館所蔵)※館内限定


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