ペリー提督・横浜上陸の図
1854年以降(嘉永7年・安政元年以降) 著者/ペーター・ベルンハルト・ヴィルヘルム・ハイネ、石版画(原画は油彩画)
1854年(嘉永7年・安政元)3月8日、マシュー・ペリー率いる東インド艦隊が横浜に上陸したときの様子を描いた図。作者とされるペーター・ベルンハルト・ヴィルヘルム・ハイネはドイツ系アメリカ人の画家で艦隊専属の記録を務め、アメリカ合衆国の軍人、外交官としても活動した。本図はハイネ原画による石版画(リトグラフ)。油彩画は横浜美術館にも所蔵されている。開港と東西文化の交流のはじまりを象徴する作品。 黒船が集う沖をバックに、隊列を組む米軍水兵、その様子を見守る武士や横浜の地元民が子細に描き出され、歴史的場面を現代に伝えている。なお、本図右端に描かれている水神社の祠の上に茂っているのが「たまくす(タブノキ)」という名木で、数々の震災や戦災を乗り越えた現在でも横浜開港資料館の中庭に残っている。(横浜開港資料館所蔵)